scale

scaleコマンドは、ECSサービスのタスク数を変更するためのコマンドです。サービスの負荷に応じてタスク数を手動で調整する場合に使用します。

基本的な使い方

$ ecspresso scale --tasks N [オプション]

オプション

オプション	説明	デフォルト値
`--config`	設定ファイルのパス	`ecspresso.yml`
`--tasks`	設定するタスク数	-
`--dry-run`	実際にスケールせずに実行内容を表示	`false`
`--no-wait`	サービスが安定状態になるのを待たない	`false`

出力例

2023/01/01 12:00:00 [info] myservice/default Starting scale
2023/01/01 12:00:00 [info] myservice/default Scaling service to 5 tasks
2023/01/01 12:00:00 [info] myservice/default Service is stable now. Completed!

使用例

基本的な使用方法

$ ecspresso scale --config ecspresso.yml --tasks 5

ドライラン

$ ecspresso scale --config ecspresso.yml --tasks 5 --dry-run

安定状態を待たない

$ ecspresso scale --config ecspresso.yml --tasks 5 --no-wait

スケーリングプロセス

scaleコマンドは、以下のプロセスでサービスをスケールします：

現在のサービス情報を取得
サービスを更新して、タスク数を変更
サービスが安定状態になるまで待機（--no-waitオプションが指定されていない場合）

graph TD
    A[開始] --> B[サービス情報を取得]
    B --> C[サービスを更新]
    C --> D{--no-wait?}
    D -->|はい| E[完了]
    D -->|いいえ| F[サービスが安定状態になるまで待機]
    F --> G[完了]

自動スケーリングとの関係

scaleコマンドは、手動でタスク数を変更するためのコマンドです。自動スケーリングが設定されている場合は、以下の点に注意してください：

scaleコマンドで設定したタスク数は、自動スケーリングによって上書きされる可能性があります
自動スケーリングを一時的に無効にするには、AWS Application Auto Scalingのsuspend-scaling-policyコマンドを使用します
自動スケーリングを再開するには、AWS Application Auto Scalingのresume-scaling-policyコマンドを使用します

# 自動スケーリングを一時停止
$ aws application-autoscaling suspend-scaling-policy \
  --service-namespace ecs \
  --scalable-dimension ecs:service:DesiredCount \
  --resource-id service/my-cluster/myservice \
  --policy-name cpu-tracking-scaling-policy

# タスク数を変更
$ ecspresso scale --config ecspresso.yml --tasks 5

# 自動スケーリングを再開
$ aws application-autoscaling resume-scaling-policy \
  --service-namespace ecs \
  --scalable-dimension ecs:service:DesiredCount \
  --resource-id service/my-cluster/myservice \
  --policy-name cpu-tracking-scaling-policy

CI/CDパイプラインでの使用

scaleコマンドは、CI/CDパイプラインでサービスのタスク数を自動的に調整するのに役立ちます。以下は、GitHub Actionsでの使用例です：

jobs:
  scale:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v3
      - uses: kayac/ecspresso@v2
        with:
          version: v2.3.0
      - run: |
          # 平日の朝にタスク数を増やす
          if [ $(date +%u) -le 5 ] && [ $(date +%H) -eq 8 ]; then
            ecspresso scale --config ecspresso.yml --tasks 10
          fi
          
          # 平日の夜にタスク数を減らす
          if [ $(date +%u) -le 5 ] && [ $(date +%H) -eq 20 ]; then
            ecspresso scale --config ecspresso.yml --tasks 2
          fi

スケジュールに基づくスケーリング

AWS Application Auto Scalingを使用して、スケジュールに基づいてタスク数を自動的に調整することもできます。

# 平日の朝にタスク数を増やすスケジュールを作成
$ aws application-autoscaling put-scheduled-action \
  --service-namespace ecs \
  --scalable-dimension ecs:service:DesiredCount \
  --resource-id service/my-cluster/myservice \
  --scheduled-action-name scale-up-weekday-morning \
  --schedule "cron(0 8 ? * MON-FRI *)" \
  --scalable-target-action MinCapacity=5,MaxCapacity=10

# 平日の夜にタスク数を減らすスケジュールを作成
$ aws application-autoscaling put-scheduled-action \
  --service-namespace ecs \
  --scalable-dimension ecs:service:DesiredCount \
  --resource-id service/my-cluster/myservice \
  --scheduled-action-name scale-down-weekday-evening \
  --schedule "cron(0 20 ? * MON-FRI *)" \
  --scalable-target-action MinCapacity=2,MaxCapacity=2

注意事項

--tasksオプションは必須です。設定するタスク数を指定する必要があります
--dry-runオプションを使用すると、実際にスケールせずに実行内容を確認できます
--no-waitオプションを使用すると、サービスが安定状態になるのを待たずにコマンドを終了できます
タスク数を0に設定することもできますが、その場合はサービスが実行されなくなります
タスク数を大幅に増やす場合は、クラスターのリソース制限に注意してください
自動スケーリングが設定されている場合は、scaleコマンドで設定したタスク数が上書きされる可能性があります
スケーリング操作は、サービスの更新として処理されるため、サービスの更新に関連する制限が適用されます